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アメリカの学校教育
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大学 

  掲載項目
  1. 大 学教育
  2. 就職
  3. アファーマテイブアクションプログラム
  4. コミュニテイカレッジ
  5. 成人教育

大 学教育

大学入学志願者は、入学志願書を希望の大学・大学院等に送る。合格通知された大学の中から、自分の行きたい大学を選ぶ。2001年度 に、四年制の大 学が2,344校、二年制の短大が、1,833校あった。2002年に大学登録者数は1,560万になり、最高になった。また、2002年から2012年 の間に13パーセント増える予定である(Digest 2003)。大学進学者の数は、ここ30年間増え、これからも増え続くと思われる。特に、フルタイムの学生、四年制大学の学生、女子学生の数が増加すると 予測されている。 1999年度は、56パーセントの大学生は、女性で、ほぼ3分の1は白人以外である。23歳以下の大学生は、大学生の57パーセントで、あり、43パーセ ントは、24歳かそれ以上である。27パーセントの大学生は、子どもがいるし、13パーセントの大学生は、片親である。また、80パーセントの大学生は、 被雇用者であり、その内、 常勤の被雇用者は39パーセントである。9パーセントの大学生は何らかの障害を持っている(Digest 2003)。公立の二年制大学の生徒は、四年制大学より、子どもがいて、フルタイムで働いていて、より年を取っている (Condition 2003)。1999年の秋学期に、大学生と教職員の割合は、教職員一人に対し、14.9人である。42.5パーセントの大学教職員は、パートタイムで、 特に、コミュニテイカレッジでは、半分以上がパートタイムで働いている (Digest 2003)。

2000年度の四年制大学の卒業学位を取った1,244,000人の中では、ビジネス(21%)、社会科学(10%)、教育(9%)を 専攻した人が 多い。修士号習得者(468,000人)は、教育(28%)、ビジネス(25%)等を専攻し、博士号習得者(45,000人)は、 教育(15%)、工学 (12%)、心理学(10%)、生物学(10%)等を専攻した (Digest 2003)。1980年の高校2年生が、1992年までに終了した最終学歴は、高校未満(5.8%)、高校卒(51.5%)、高校卒業資格 (11.0%)、短期大学卒業資格(Associate Degree)(7.9%)、学士号(20.0%)、修士号(2.7%)、専門職号 (0.9%)、博士号(0.2%)である(Digest 2003)。

大学資金全額から、奨学金を差し引いた実額は、1999年度で、フルタイムの一年間の大学生では、公立の二年制で、7,700ドル、公 立の総合大学 で、9,300ドル、公立の研究大学で、11,300ドル、私立の総合大学で、15,700ドル、私立の研究大学で、21,700ドルである。生徒は、親 から仕送りしてもらったり、学生ローンをしたり、アルバイトをしたりして払っている。連邦の奨学金は、一般的に、低所得世帯出身の大学生だけに与えられる が、学生ローンは、希望すれば、全ての大学生、大学院生に提供される。1999年度に学生ローンを組んだフルタイムの大学生の割合は、44パーセントで、 平均額は、一年に4,800ドルである。また、31パーセントの大学生は、連邦の奨学金を受け、その平均額は、2,500ドルである (Condition 2003)。

大学生は、卒業時に平均$18,900ドルの学生ローンの借金がある。これは、1997年より、66パーセント増加した。軍隊に入り、 戦争地帯、危 険な職務についている人は、50パーセントまでのローンの免除がある、また、低所得者のコミュニテイの幼稚園、 保育園で、常勤で少なくとも2年以上働くと学生ローンの一部が免除される。低所得者地域で働く教師にも免除されるプログラムがある。ピースコープや Vista(ピースコープに似た国内でのボランテアプログラム)に参加すると、70パーセントまで免除される。また、障害者と一緒に働く法律関係者、保健 関係者なども免除されるプログラムがある(LA Times 2003年5月18日)。

1997年までに、1992年度に四年制大学の学位を取った同じ割合の男女、41パーセントが、大学院へ申請し、35パーセントが入学 許可を得、 30パーセントが登録した。男性は、女性よりもビジネス、医学、歯学、工学、数学、コンピューター、生物自然科学を専攻する者が多く、女子は、教育、保健 看護等、社会・行動科学の分野により多い(Condition 2000)。1985-2000年の間に、大学院生の登録数は、34パーセント増加した。1984年から、女性の大学院生の数が、男性より多くなっている (Condition 2003)。

就 職

1992年度に卒業した大卒の89パーセントは、1997年に、ビジネス関係(20.9%)、教育 (16.2%)、行政・事務・支援(13.6%)、販売(8.1%)などの分野で、フルタイム(81.0%)、または、パートタイム(8.3%)で、働い ていた。失業者は、2.7パーセントで、労働に参加していない人は、8.1パーセントであった (Digest 2003)。学歴は、給料にしばしば関係している。例えば、1999年には、四年制の大学を卒業した25歳から34歳の男女は、高校卒に比べて、それぞ れ、58パーセントと92パーセント多く稼いでいる(Condition 2001)。2000年の25-34歳の働いている人の年間所得額を比べてみると、高校中退者と高校卒業者の年間所得額は、大学卒業生よりも少ない (Condition 2002)。

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ア ファーマテブアクションプログラム

大学進学のアファーマテブアクションは、マイノリテイの大学生を増やすため に、黒人やヒスパニック系の大学志願者に入学の基準を下げて、受かりやすくしたり、特別奨学金を与えたりしている。1978年に、アファーマテブ ア クションは、白人生徒に対する逆差別として訴えたベッカ氏に、最高裁判所は、人種や民族を大学受験の合否の決定的な要因にすると、憲法違反だが、志願者の 人種・民族を大学受験の合否の決定に、単にプラスアルファーの要素として考慮するならいいとした。 カリフォルニア大学デービス校医学部は、100人の合格者の16人分を マイノリテイの生徒(黒人、チカノ(メキシコ系アメリカ人)、アジア系アメリカ 人、アメリカンインデアン)のために、枠外していた。白人の志願者であるベッカ氏は、自分より、点数の悪いマイノリテイの志願者が受かり、二度、不合格に なったので、白人としての人種により、彼を判断することは、憲法修正14条(平等保護条項)に対して、違憲であると、訴訟を起こした。デービス校のア ファーマテブアクションプログラムは、人種民族を決定的な要因にしているので憲法違反とした。

ミシガン大学アンナーバー校に申請する高校生は、150点枠内で評価されている。大学志願者に対して、100点だと普通合格許可される ところ、マイノリテの志願者に20点を与えていた。最高裁判所は、すべてのマイノリテの 生徒(アジア系は含まない)に合格をほぼ確定する大学生の合格規準のボーナスポイントを上げることは、法律に反すると判定した。しかし、ミシガン大学法律 大学院のアファーマテブアクション方策に関しては、その生徒の人種が合格を決める一つの要因さ れたことを25年前のベッカ氏対カリフォルニア大学のケースと同様に、是認した。黒人、ヒスパニック、アメリカンインデイアンの生徒に対するアファーマテブ アクション方策は認められた。最近、法律大学院に入学する13パーセントから20パーセントがマイノリテイである。オコーナー裁判官は、もしアファーマテブ アクションがなければ、入学するマイノリテイは、4パーセントに落ち込むと思われるので、いつか、アファーマテブ アクション方策はやめなければならないが、今は、続けた方が良いと判定した (LA Times 2003年6月24日)。

カリフォルニア州は、1996年の住民提案209号、テキサス州は、1996年の裁判所の決定、フロリダ州は、2000年の知事による 決定でアファーマテブア クションが禁止された。カリフォルニア大学バークレー校では、黒人の一年生の割合は、1995年の6.7パーセントから2001年の3.9パーセントに、 ヒスパニックは、16.9パーセントから、10.8パーセントになった。フロリダ州では、実際に、黒人やヒスパニックよりも、白人やアジア人が増加した。 この三つの州は、アファーマテブアクションが禁止されてから、 大学に黒人やヒスパニックの生 徒を維持し、 増やすために努力をしている (LA Times 2003年2月11日)。

コ ミュニテカレッジ

コミュニテカレッジは、一般教養科目の他、四年制の大学へ転籍する生徒のた めに、指導、カウンセリング、補習授業、職業教育を提供し、就職を希望する生徒のために、職業訓練をしている。また、コミュニテや ビジネス産業と提携し、コミュニテの経済の発展のために、いろいろなコミュニテサー ビスを施している(Phelan 1994)。

コミュニテカレッジは、20世紀の初めに確立されたジュニアカレッジとして 知られていた。1960年代にコミュニテカレッジは全国的に広まった。1998年には、968 の公立のコミュニテカレッジと137の私立のジュニアカレッジと27の部族の大学がある。少な くとも一つの州に一つのコミュニテカレッジがある。多くの私立のジュニアカレッジは教会に付属 したり、男女別の学校が多い(Phillippe 2000)。2000年の秋学期に、570万人がコミュニテカ レッジに、25万人が、私立のジュニアカレッジに登録した。2001年度のコミュニテカレッジ の授業料は、年間平均1,379ドルである(Diegst2003)。

コミュニテカレッジは、オープン式入学、安い授業料、四年制大学への転籍可 能、家の近くということで、幅広い年齢 層の生徒を集めている。また、クラスも、午前中、 午後、 夜、 週末にもあり、働いている人も参加できやすい。学士号を持っている人もコンピューターの クラスに登録して、新しい技術を学んでいる。資格のプログラムや仕事のトレーニングのクラスもある。 また、移民者のための英語のクラスもある。

コミュニテカレッジは、高校卒業したばかりの学生と社会人学生が学んでい る。 高校卒業したばかりの生徒は、四年制大学の生徒より、学問的にあまり大学教育に準備できていない生徒が多く、 マイノリテの 割合が高い。また、四年制大学に比べ、 パートタイムの学生、経済的に不利な学生、家から通学の学生、成人学生、家族内で初めての大学生になった学生が多 い。高校三年生、四年生が、コミュニテカレッジや高校で、コミュニテカ レッジのクラスを取り、 高校の修得単位にすることができる制度もある。

コミュニテカレッジの最も重要な役割の一つは、四年制大学の3年生への転学 である。コミュニテカ レッジは、短大卒業資格を修得しなくても、生徒が四年制の大学に転学できるクレジットコースを提供している。 コミュニテイカレッジで、四年間の間に12 単位かそれ以上の単位を取り、少なくとも一つ、四年制の大学で単位を取ると、四年制の大学へ転入することができる。1990年にコミュニテカ レッジに入った学生のうち、四年以内に47.1パーセントの生徒が12単位以上を取り、21.8パーセントが四年制の大学へ転学した。1994年に四年制 大学の学士を取った人の中で、15.5パーセントはコミュニテカレッジから始めた。教員の資格 を取った学士の20.6パーセントはコミュニテカレッジから始めた(Phillippe 2000)。

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成 人教育

急激な技術改革、経済変化の中、生涯教育は、個人や社会の発展のために重要な役割を果たしている。成人教育は、高等教育機関の正規登録 以外の教育活 動を指す。例えば、パートタイムの大学登録、雇用者によるクラスやセミナー、成人識字クラス、娯楽のためのクラスなどを指す。これらは大学や雇用者などが 提供している資格のプログラムから、資格に関係なく仕事に関係した教育、基礎知識学習、外国人のための英語教育、師弟制度の訓練、個人の成長のための教育 などが含まれる。

2001年に、成人教育に参加した16歳以上の割合は、1991年の34パーセントから2001年の47パーセントに増えた。2001 年の16歳以 上で、仕事に関するコース(30%)が一番多く、次に個人の興味に関したコース(21%)、大学の資格のためのプログラム(7%)、その他の活動(4%) に参加した。女性は、男性より、全体の参加率と個人の興味に関したコースの参加率が高い。白人、アジア系は、黒人、ヒスパニック系より、参加率が高い。よ り高度な教育歴の持っている人の方が、参加率が高い(Condition 2003)。

非伝統的な大学生の割合が、増加している。40.9パーセントの大学生は25歳以上で、ほぼ12パーセントは40歳以上である。学位に 関係のない生 涯教育、資格のプログラム、仕事に関した訓練等に参加している人が多い(Kerka, Sandra 2001)。 2001年に、大学などの資格のプログラムに参加している人は、 年齢とともに減っているが、個人の興味に関したコースは、どの年齢層でも同じぐらいの割 合で参加している (Condition 2003)。 

2001年に、成人教育に参加している25-64歳の被雇用者の75パーセントが、雇用者経済支援を受けた。その内、69パーセント は、雇用者が参 加するように要請したと報告した。仕事に関した教育に登録した被雇用者参加者のうち、87パーセントは、雇用者経済支援を 82パーセントは、授業料の支 援を 74パーセントは、仕事に関わらなかった時間の支払いを受けた(Condition 2003)。

(文責:石 木田美貴)

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