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アメリカの学校教育
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高等学校

  掲載項目
  1. 高 等学校教育
  2. 大 学進学
  3. 高 校生の生活

公立高校は、全入制の総合高校である。高校は、四年制で、14歳児から17歳児が通っている。各州により、義務教育期間が決められてい る。2001 年度に、17歳児全体の72.5パーセントが高校を卒業した。退学後、学校に復学したり、夜間学校に通ったり、一般高校卒業資格試験を受けることにより、 高校卒業資格を得ることができる。2001年、18歳から29歳のうち、高校中退者は、12.7パーセント、一般高校卒業資格(GED)により高校卒業資 格を取った者は、6.0パーセント、高校卒業証書で卒業した者は、81.3パーセントであった (Digest 2003)。

高 等学校教育

アメリカの公立高校は、全入制の総合高校であるので、高校のカリキュラムは、生徒の家庭状況、将来の計画、興味に合わせて、多様で、か つ、幾つかの レベルのクラスを提供している。中・大規模の高校には、一般に大学進学コース、一般コース、職業コースに分かれている。大学進学を希望していないか、ま だ、決めていない生徒は、一般コースを取り、学問に余り関係ない選択教科を取っている。一般教養科目は、英語、社会、理科、数学、外国語等から成り、職業 教育科目は、ビジネス、保健、農業等の分野がある。その他、体育、運転免許資格などのクラスがある。

学力向上を重視する教育法が勧められている。全米教育向上委員会(National Commission on Excellence in Education) は、1983年に、国際的にアメリカの高校生のレベルが非常に低いこと、学力テストが26年間連続で低下していること、学力適正テスト (SAT) の成績の低下、大学での数学や英語の補習授業の履修者の増加等を懸念して、報告書「危ない国 (A Nation at Risk)」を提出した。アメリカの高校生のSATなどの成績低下は、「カフェテリア式カリキュラム」のせいだとし、基本的教科の強化を生徒全員に勧め た。3年後には、45の州とコロンビア地区は、高校卒業資格に必要な単位数のうち、多くの州が特に数学や理科の単位数を増やした。全米教育向上委員会が、 勧めた基本五教科(英語4単元、社会3単元、理科3単元、数学3単元、外国語2単元、コンピューター0.5単元)を完了した生徒は、1982年の2パーセ ントから2000年の31パーセントに増加した (NCES 2003a)。

一単元は、毎日一時間の科目の一年間のコースである。大学進学者には、特に、外国語を二年間修得するように勧めている。カリフォルニア 州では、 2001年に、英語3単位、社会3単位(アメリカ史・地理1単位、世界史・文化・地理1単位、アメリカ政治学0.5単位、経済学0.5単位)、数学2単 位、理科2単位(生物、物理含む)、体育・保健2単位、芸術・職業1単位(芸術は、外国語、手話でもよい)の全13コースは、高校卒業のために必須であ る。また、2006年度卒業生から、卒業試験(California High School Exit Exam)に受からなければ卒業できない。2005年度からは、高校生は、卒業するために、英語と数学の試験に受からなければならない。10年生の後期か ら、生徒は、試験を受け始めることができ、受からなかった科目を6回まで、受けなおすことができる。

大 学進学

高校を出てすぐに大学へ進学する生徒が増えている。2001年度に、17歳児全体の72.5パーセントが高校を卒業した。62パーセン トの高校卒業 者(白人(64%)、黒人(55%)、ヒスパニック系(52%))が高校を卒業してすぐに大学へ進学した。2001年の高校卒業生のうち、60パーセント の男生徒、64パーセントの女子生徒が、四年制の大学(41%の男子、43%の女子)と二年制の大学(19%の男子、21%の女子)に、高校を卒業してす ぐに入学した。一般に、低所得者より高所得者の子ども、また、四年制の大学卒業者の子どもが、大学へ進学している割合がより高い(Condition 2003)。

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高 校生の生活

1998年の調査によると、12年生(高校四年生)の少なくとも半分は、高校生活で大事なことは、スポーツができることと大学に進学す る準備をする ことと言っている。また、88パーセントの12年生が、毎週、何らかの宿題をしていると報告している。ほとんどの12年生は、宿題をすることに、週に5時 間未満しか費やしていない (Condition 2001)。

1992年、高校4年生は、学業に関するクラブ(25.1)、スポーツのクラブ(42.9%)、チアリーダー・ドリルチーム (7.5%)、新聞・卒 業記念アルバム作成クラブ(18.8%)、音楽・ドラマ・討論(27.9%)、職業クラブの学校の課外活動(17.7%)に参加していた(Digest 2003)。1999年、高校生は、 コミュニテイのボランテイアの活動(50%)に参加し、チャリテイで寄付金を集めたり(40%)、生徒委員会 (33%)、環境組織 (24%)に参加した。高校一年生は、政党に付属した青年の組織(10%)、6パーセントは人権組織(6%)に参加した (Condition 2003)。

高校生は、アルバイトから、仕事の知識・技術などを学ぶ機会を得、仕事に関する積極的な態度を養うことができる。一方、アルバイトは、 学業習得にマ イナスになることもある。77パーセントの高校四年生が、アルバイトかボランテイアの仕事をしているが、アルバイトの時間と宿題をする時間は反比例してい る (Condition 2001)。1992年の調査によると、高校四年生の時にアルバイトをしなかった人は、31.8パーセントであり、アルバイトをした人は、週に平均、1- 10時間(16.6%)、11-20時間 (28.8%)、20時間以上 (22.7%)のアルバイトをした。働いた生徒の最近の仕事は、食事サービス(24.0%)、食料品店店員(14.5%)、販売人(11.8%)、事務員 (6.9%)、ベビーシッター・子どもの世話(4.3%)などであり、77.5パーセントが、4.25ドルから6.00ドルの間の時給で働いた (Digest 2003)。

(文責:石 木田美貴)

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